はなしば事務員コラム

法律事務所に勤めていたら,よく,「弁護士さんになるの?」と聞かれます。
いつも、笑顔で「いいえ。なりません」と答えます。

弁護士というのは,専門家。
事務員というのは,そのサポート役。

そう思っています。
医者に看護師や医療事務や,受付などの事務の方々がいるように,
弁護士には,事務員がいるのです。

そんな,依頼者の方と弁護士との間にいる事務員だから見えること。
簡単に,簡単に,法律事務のことを,お知らせしていきたいと思います。
ときに違うこともお話しするかもしれません。

疲れている人へ(H29.9.14) NEW!

私が法律事務所に勤務してからもう十数年が経ちました。

若かりし頃から、おばさんと言われる年齢に差し掛かっているわけですね。


ま、それはさておき。

この仕事をしていると、疲れている人に良く会います。


そりゃそうです。

おおよそ、この世のもめ事の大半は人間関係ですから。

法律の世界では、法律に基づいて物事を決めていきます。

でもそれは、人間関係を改善するための手段じゃありません。

だから、その人の疲れを取り除くことは、残念ながらできません。


ただ、「疲れ」というのは、はっきりしない人間関係から生まれるものだと思います。

相手が悪いのか、私が悪いのか。私も悪いところがあるけど、相手も悪い。

相手が悪いはずだが、謝らない。

相手はどのように思って、こんなひどいことをするのだろう。

なぜ、どうして、こんなことになったのだろう。


このはっきりしないことを、

はっきりしないまま、

怖くて見ないままでいると、

「疲れ」ます。

わけのわからないものに包まれていることほど、疲れることはありません。


疲れている人へ。

はっきりさせましょう。

自分の周りのことを。

人間関係を、強制的に一つの形をつけるのが法律です。

時にそれは、「痛い」こともあります。「辛い」こともあります。

でも、形がついてしまったら、「疲れ」はしません。


もちろん、全部が全部法律で一つの形をとれるわけではないですが。

それが何かのトラブルの時は、法律というものを思い返すのも一手かもしれません。

『AI弁護士』は誕生するか?(H29.7.26) NEW!

最近,AIが熱いですね。

おそらく,将棋の14歳,いまは15歳になった藤井四段の活躍も大きい理由かなと個人的には思っています。

彼は,AI型の天才型将棋士と言われていますね。


さて,人間がAIに勝てなくなって久しいものが,まずオセロ,そして囲碁,チェス,最後の砦と思われていた将棋も,最早勝てなくなっています。

(もちろん勝って欲しいと思っていますが。頑張れ,人間!!)


AIは,過去の全ての対戦情報を全て網羅し,さらにAI同士で対戦し続けて,その情報も蓄積し続けるそうです。

さらに,彼らは疲れ知らずなので,24時間365日,戦い続けられます。

昔の企業戦士のようです。


このようなことが出来るAI,弁護士の仕事は出来るでしょうか。

法律も因果関係を法律上で解決していくものですから,ある程度は可能でしょう。

そのようなマシンも出てくるのではないかと私は予想しています。


では,全てAIがやってのけられるか?

現時点では難しいのじゃないかなと,私は思います。

AI政治家の話も出ていますが,これも同様。

今の膠着した状態を抜け出るためのカンフル剤にはなる気がしますが,

まだ,曖昧な部分や,明文化されていない部分,慣習などがある限り,

全ては成り立たないでしょう。


でも,AI,人の感情も読めるようになって行ってるみたいなので,

遠い将来どうなるかはわかりません。

いつか,AI弁護士もAI政治家も誕生するかもしれませんね。


でも,人間同士のもめ事の解決をAIに任せるようになったら,

それは,AIの世の中であって,人間の世の中ではないなあと思う,今日この頃でした。

私の財産を奪い取られる!! (H29.7.11) NEW!

今,とある夫婦がワイドショーを賑わしていますね。

その妻は,夫が私の財産を奪う計画をしている!と叫んでいます。

まあ,他にも色々叫んでいますが……


さておき,

日本においては婚姻期間中の財産は,夫婦の共有財産になるので,気前よく「何も要らない!」なんて言わなければ,離婚するときには基本的には全部,半分こです。

こういう場合,夫の財産のことが良く取り上げられますが,夫でも妻でも同じです。

妻が,例えば結婚中にたんまり稼いで100億円の財産が出来た場合,例えば夫には財産が出来ていなければ,夫は妻から50億円もらう権利があります。

これは,奪うとか,奪われるとか,そういう類いのものじゃないですね。

結婚とはそういうものだということですね。

そういう契約なんです。


最近は,男女平等と言われている社会ですし,

夫より多く稼ぐ妻も増えています。

そういう場合,妻が財産を払わなければいけないということは多々生じてくるでしょう。


けれど,まだまだ夫の財産で生活するもの,妻の稼ぎは妻のものというような思い込みが存在している気がします。

これは,かつての日本社会の名残なのでしょうか?

交通事故で得する方法 (H29.6.19) 

「ありません。」


世の中には焼け太りという言葉がありますが,

残念ながら,その事故によって生じた損害を全て賄う,もしくはそれ以上を手に入れる術はありません。


事故に遭うと,いろんな損害があります。

もちろん,怪我をした治療をしなければいけません。

それには治療費や通院交通費がかかります。

仕事を休まなくならなければならなくなれば,

有給休暇を使うにしても,それが欠勤になるにしても,

本来入るはずの利益はなくなってしまいます。

そして,その後,後遺症が残ってしまったら,

仕事をする能力が少なくなってしまうと,その分の損害が生じます。


そして,事故にあってショックを受けた慰謝料。

入通院をしなければならなかった慰謝料。

後遺障害が発生した慰謝料。


こういうのは,大抵,望んだより少ない金額です。

辛い気持ちや,辛い状況はお金には換えがたい。


じゃあ,弁護士は何をするべき人なのか?

それはできる限り,その差を埋める為のものです。


やっぱり,事故には遭わないのが一番いいという,極一般的な結論でした。

ゲス不倫と慰謝料問題,そして不倫と親権問題(H29.5.19)

最近の世の中,不倫に対して非常に風当たりが強くなっていますね。

みんなそんな人の不倫を叩いてどうするのでしょうか。

当事者にとっては,大変重要な問題ですが,社会的に抹殺されるっていうのも変な話です。

というか,そんなことしたら,被害者の人が慰謝料を取りにくいのでやめてあげたらいいのにと思います。

不倫をした人は,一生懸命働いて,精々慰謝料をちゃんと払ったら良いのです。


さてさて,不倫と親権問題。

日本では離婚すると単独親権です。

なので,父が親権者になるか,母が親権者になるか,離婚するときに決めるわけです。

ところが日本人は母性信仰があるためか,親権者が母でなければ,何かあると思われがちです。

今,芸能界が少しこの問題で騒がしいですね。

ところで,母親が不倫をした場合,親権者は母でなくなるのか?

全くそんなことはありません。

不倫した母親でも親権者になり得ます。

不倫した妻であることと,悪い母はイコールではないということです。

また,不倫もしない妻であるからといって,親権者にならないこともイコールでないのですね。
「親権者が父」という事実だけで,母が一方的に責められるというのは,ちょっとおかしいなと思う今日この頃です。

ま,他の事情について,全く知らない人間からの戯言でした。

忙しい忙しい (H28.6.29)

最近,とあるテレビ番組を見ていたら,  

「心を亡くすのが忙しい。では,心に布が怖い。心に布って・・・(笑)」
というセリフがありました。
これだけで,何のテレビか分かった方とは,私はお友達になれそうです。

テレビの中でのその行く末はともかく。  
心に布ってなんだろうと,ずっと考えておりました。  
心に布,心を覆ってしまうこと,それが怖いことなのだということなんだと思います。   

夜,何が怖いって,真っ暗で何も見えないからなんですよね。  
何かが襲ってくるかもしれない。  
どこかに何かがいるかもしれない。  
そう思ってしまうから怖い。   

心にも同じようなことがあると思うのです。  
嫌なことがあると,心を覆ってしまう。  
見たくないから。  
考えたくないから。  
傷つきたくないから。  
でも,そうやって心を覆ってしまうと,  
すぐそこに傷つけるものがあるかもしれない。  

この布をとってしまったら,なにか嫌なものが見えてしまうかもしれない。   

だから怖い。   

そして,いずれ心を亡くしてしまう気がします。  
そして忙しい忙しいと言って,何もかもから逃げ出してしまう。  
そして,何かが追ってくる気がして又怖い。  
そんな悪循環ができあがってしまう。   

これは怖いですよ。  

だって,後ろから「何かに」追われている気がして,  
でも自分の体力もいつか尽きてしまうことが分かっている。  
だから,やっぱりいつか立ち止まって「何か」に対峙しなければいけない。  
そして,その怖い何かを退治しなければならない。   


なんて。  

そんなとりとめも無いことを考えている日々です。  
コラムの更新に時間が空いてしまった言い訳ではありません(笑)

三寒四温で春は訪れる。 (H28.3.16) 

これって,季節のことだけでもなくて,心のこともそうかもしれません。

当事務所,残念ながら幸せな気分の人だけが訪れるものではありません。
心が寒く,凍えそうになっている方もいらっしゃいます。
やはり,不倫されたり,お金を持ち逃げされたり,親子や兄弟間でもめていたり,交通事故に遭ってしまったり,家族が捕まってしまったり・・・
少なくとも「幸せ」な状況ではないですね。

何が一番大切か。
心に春を取り戻すことです。

ちょっと哲学的? そうですね。

だって,元通りには戻らないんです。
前と一緒にはもうならない。
だったら,新しい季節の訪れを自力で掴みに行かなければいけません。

ところが,この「心の冬」は,なかなか手強い。
新しい解決に向かっていっても,時折,寒の戻りがやってきます。
憎しみや悔しさ,悔恨の情といったものが,心に戻ってきます。

でも,また進みましょう。
すると,春一番が吹いて,時に春の嵐が訪れたりもしますが,
きっと,美しい春が待っているはず。

寒さと暖かさを繰り返して,
心の春は訪れます。

これはあくまで心の問題。
辛くても,悲しくても,前に向かって歩いて行けば,心の春はそこにあります。

タダを求めて三千里 (H28.2.10) 

タダ・無料・お得・・・

良い言葉ですね。
ついつい求めてしまいますね。

はい。

はなしば法律事務所も無料相談会なんてものをやっているので,偉そうなことは言えませんが・・
「無料」だけを求めていたら,時既に遅し,なんてことにもなりかねませんので,気をつけて欲しいなと言うお話しです。

最近では,市役所とか,ハローワークとか,法テラスとか,様々な場所で無料相談をしています。
こういうときは大体,時間の制限があるのが普通です。
20分とか30分が相場でしょうか。
長いと感じるか,短いと感じるか。
案外,事情を説明しているとそれくらいすぐに過ぎてしまうこともよくあることです。


ほら,旦那の愚痴を言い始めると,何時間も経っている女子会みたいなもので・・・
だから,とにかく無料で話を聞いてもらえるところ・・と,色んな相談所を訪れる人がいます。

毎回,相談だけ。

こういうことをすると,どこそこでこういう答えだった。あっちではこうだった。というお話しが更に増えて,やはり30分では収まりきらなくなってしまいます。
そうして,親身になってくれる先生がいないと言って,さらに渡り歩く・・という悪循環。


別に弁護士も聞きたくないわけではないのです。
ただ,「一番の問題点がどこなのか」をはっきりさせてないと,なかなか解決は難しい。


それも分からなくなっているなら,
オススメは,とにかく書き出すこと。困っている事をとにかく箇条書きでも書き出してみること。そうすると,自分の心の中も整理がつきます。
そうして,一番困っている事を探しましょう。
あっちもこっちも言っていると,それこそ三千里も相談所を歩き回ることになってしまいますよ。

架空請求でも,裁判所を通じたら本物になる。 (H28.1.20)

近年,架空請求が多発しています。
どうでしょう。
あなたのところにも届きませんでしたか?
メールやハガキ,色々です。
ちなみに,うちの弁護士にも架空請求のメールが届きまして,事務所で回覧した事もありました。


さて,なんの覚えもないメールやハガキでの督促は,基本的に放置しても何の問題もありません。
けれど,裁判所から届く「支払督促」だけは無視しないでください。


裁判所の書類なんて,無視しないって思うでしょう?
案外,そうでもない。
内容がわからなくて『しばらく』置いておきました。
そしてそのまま忘れ去られてしまうことも,よくある話です。


この支払督促には期限があります。
期限内に反論しないと,相手方の言うとおりに決定が出てしまう。
それが架空請求でも同じです。
嘘偽りなのだから,認められない!
と言っても,後の祭り。
裁判所の決定が出てしまえば,その後は「正式な請求」になってしまいます。


なので,裁判所からの書類だけは必ずしっかり対応しましょう。
「特別送達」で送付されたものに限ります。
封筒に「特別送達」と赤字で書かれた,受領印が必要な郵便物。

このような書面には,要注意です。