はなしば事務員コラム

法律事務所に勤めていたら,よく,「弁護士さんになるの?」と聞かれます。
いつも、笑顔で「いいえ。なりません」と答えます。

弁護士というのは,専門家。
事務員というのは,そのサポート役。

そう思っています。
医者に看護師や医療事務や,受付などの事務の方々がいるように,
弁護士には,事務員がいるのです。

そんな,依頼者の方と弁護士との間にいる事務員だから見えること。
簡単に,簡単に,法律事務のことを,お知らせしていきたいと思います。
ときに違うこともお話しするかもしれません。

予想はあくまで予想であって (R3.4.5) NEW!

間違いました。

前回のコラムの同性婚違憲判決,確定するという予想は見事覆されました。

控訴しましたね。

 

判決当日に官房長官が「婚姻に関する民法の規定が憲法に反するものとは考えていない」とか言ってらっしゃいましたしね。

法整備を求めるために,最高裁判決を手に入れに行ったんでしょう,きっと。

長い戦いになるし,いろんな批判もあるだろうし,人生をかけて道を作りにいったのでしょうね。

頑張って頂きたいと思います。


色々な壁 (R3.3.18) NEW!

以前,「バカの壁」ってベストセラーになりましたね。

世の中,色々な壁があって。

その中の一つの壁は,同性婚の問題だったりします。

いわゆるLGBTQってやつです。


昨日速報で同性婚が出来ないのは違憲であるという判決が出ました。

「画期的」な判決と話題です。

これ,民事の損害賠償請求なんですよね。

100万円請求している。

判決は,「棄却」なわけです。

原告の訴えは認められなかったというのが主文。

だがしかし,判決の理由のなかで,同性婚が認められていないのは違憲状態であると言われているわけです。


これ,ここで確定しちゃいます。多分。(ただの私見です。2週間以内に分かります)

原告の方々は,おそらく違憲と認められたわけだから,満足。控訴はしません。

被告の国からすると,損害賠償は認められなかったわけだから,どんなに理由に納得できなくとも,控訴はできません。

すごーく,宙に浮いた状態な気がするんですよねえ。

これが出たことで,議論が進んで,同性婚の法整備だとか,全国規模のパートナーシップ制度だとか,そこに進めばよいのですが。

言ってしまえば,たかが地裁の判決ひとつなので。

最高裁の判断とかだと,世の中も動きやすいというか。

人は権威のあるものに弱いものなので。

こういうところに,やっぱり「壁」が存在していると思ってしまう。

今日この頃なのでした。

相続は争族だとか言うけれど (R3.1.28)

「うちは大丈夫。」

世の中の多くの人はそう思っているようで。

でも,だったら「争族」なんて言葉,生まれたりしないんです。


よくある言い分としては

「そんなにお金ないし」とか,

「家族仲いいし」とか,

「みんなわかってくれるでしょ」とか。

基本的に性善説に基づいた理念の元で大丈夫という理屈になるようです。


だがしかし,です。

そんなに無くても,お金はお金。

貧している人は,100万でも10万でも,多く欲しいものなのです。


そして,思いもがけないところに家族が現れたり。

例えば,隠し子。

例えば,行方不明の親。

例えば,縁を切られた不出来な兄貴。

家族としてはもういないものとして,後の家族が仲がいいと思っていても,

相続の時は,残念ながらいることになってしまうのです。


それから,家族が仲がいいのは,その人がいてくれるからってことが往々にしてあるもので。

お母さんがいる間は家族がまとまっていたり。

お父さんがいる間は家族がまとまっていたり。

ってこともあります。


最後にあるのは,思い込みの相続と,法律の相続が違うこと。

知らないから,仕方ない。

っていう風には,法治国家はならないので。

ちょっと気に掛かる場合は,一度相談してみるもの,一助になるかも。

相続が始まってからでは遅いのです。争族が始まってしまいます。

心の片隅に留めて置いてみてください。

現代版「王様の耳はロバの耳」 (R2.10.14) NEW!

懐かしい童話です。

最近,ふと思い出しました。


王様の耳がロバの耳であることに気づいた主人公(理髪師だったかな?)が,

言いたくて言いたくて仕方ないけど,言えない。

だから,葦に向かって叫んだ。

「王様の耳はロバの耳!」

ここなら人には知られない。

黙っていられると思った。

でも,その葦は,いろんな人にその言葉を言いふらし始めて,みんなが知るところとなってしまう。

王様は怒って言いふらした人間を殺してしまおうとする。

みたいなお話。


あ,これ,SNSだ。

と思ったわけですね。

主人公は,「葦」をただのゴミ箱だと思ってたわけですね。

誰にも聞こえない。誰も知ることはない。

世の中のごみくずと一緒に消えて行ってしまう。

でも,その「葦」は実は世界中と繋がっていた。

その言葉は,全て世界中の人が見て聞くことが出来てしまう。


実際に,SNSでつぶやいた言葉なんて,誰も知らずに埋もれてしまうことが大多数で。

ほとんどは,意味のない,役にも立たない,気づいてもらえない言葉たち。

でも,時にそれは世界に繋がってしまって,人の生死にまで繋がってしまう。


世界中に繋がって,一度発したら消すことが出来ない。

そんな怖い世界,少し前までは特別なものでした。

でも,誰もが手に入れられる。

これってすごく怖いことだなと,改めて思った今日この頃です。

問題は不倫ではない! (R2.6.12)

とある不倫が巷を賑わせている今日この頃。

(この出だし、前にも書いた覚えがある・・・私、不倫ネタ好きなのかしら)

 

さて。

不倫については、当事者に任せるとして。

私は個人的に、多目的トイレの悪用が一番許せない点です。

(実際にどうかは知らないけど、当事者の片方が、そこで密会したと言っている以上、半ば事実と判断して)

多目的トイレは、どうしても必要な人がいるものです。

もし、使えなかったら、他の階に行くのもなかなかに大変な人たちもいる。

それを、そんな安上がりを求めてっていうのはいかがかと。

そんじょそこらの若者じゃないんだし。

お金持ってんだし。ホテルでもなんでも行きなさい。

と、思った次第です。

 

この方の問題は、不倫では無くて。

簡単に言えば、「誠意」が無いってことで。

自分の欲望のためだけに生きてて、妻はもちろん、他の女性に対しても、そして、世の中の人に対しても、思いを馳せることができないということ。

誰かが傷つくことや、誰かが悩むことや、誰かが困ること。

そういうことを考えられないこと。

 

不倫は問題。

だけど、それは当事者の問題。

 

世の中のから見る問題は、不倫は無くて。

そういう適正な生き方の方ではなかろうか。

 

と、人の振り見て我が振り直せというので、

適正な生き方、改めて考え直したいと思う今日この頃でした。

井の中の蛙大海を知らず。されど・・・ (R2.4.23)



自粛が続いている世の中。

家の中に閉じこもっていると、外のことがわからなくなっていく気がします。

外を覗くことができる、テレビもネットも、今は同じことしか言っていない。

だから、そんなときに思い起こされるのが

「井の中の蛙、大海を知らず」

ということわざ。

狭くて閉じた世界の中で、広い世界を知らない状態にいて、取り残されていく感覚。

実は自分だけがここにいて、周りは大きく変わっていっているんじゃないか。

なんて。


昔からよくあった状況で。

誰しも陥りやすい落とし穴だったんだろうと想像します。


で、そこに付け加えられたのが「されど、空の蒼さを知る」

狭い世界にいるからこそ、その世界の深いところや細かいところをよく知っているという意味だといいます。

これって、実は中国から渡ってきた元々の言葉に、日本で付け加えられたそう。

私はこの付け加えられた部分が好きで、よく使います。


今のご時世、世界は広く、深く、速く、人一人の力ではすべてを知るには大きすぎる。

だからこそ、今いる場所で、その深さ、その蒼さを知ることができたなら、人生素敵なのではないかと思うのです。


動くことができない現在だからこそ。

その、「空の蒼さを知る」ことに心と時間を費やしても良い時期なのではないでしょうか。


人は自分と同じじゃない (R2.3.3)

今,世の中は新型肺炎やら,コロナウイルスやらで大騒ぎですね。

こんなとき,世論はなんだか同じ方向に向かって動き出す気がします。


全てが自粛に向かって動き出し,何か発言する人や,何か動こうとする人をこぞって叩く。


今回の場合,小中高を全て休校にすることや,極力休業にすることや,イベントの中止を要請することや,外出を控えてもらうこと,間違ってないと思います。

別に間違ってはいないけど,それに対して反論すること(時にはその後の話や仮定の話について)をすると,途端に非国民的な扱いになってしまう。


とにかく押さえ込むこと。

そればかりを考えている気がします。

それはウイルスをではなく,それに対して意見を言う人のことを。


何かを考えることは悪いことではない。

それが,間違っていても良いことでも。

いろんな意見が出るからこそ,何か次に進むことができると思うのです。


人が考えることは自分と同じということはあり得ない。

だからこそ,何か違う意見が出たときは,

それを押さえ込むのではなく。全否定するのではなく。

なぜそれが違うと思うのか。

なぜそれが今ではないと思うのか。

ただ,それを語り合い,いつかこの先の未来を見つめることができないだろうか。

と,思うこの頃なのです。


何かの災厄がふりかかるとき,長い目で見たときの最善手ではないかと思うのです。

増税と軽減税率と、難解と混乱と。 (R1.9.20) 

皆様ご存じのとおり、来る101日から消費税が8%から10%に増税されます。

ややこしい軽減税率の話も、残念ながら法律事務所には関係なく、

依頼される方へのご負担を増やしてしまうことは心苦しいところです。

ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

 

さて。

増税に対しての対応策として、色々と言われておりますね。

まずは軽減税率。

主に対象品は、食料品と新聞という摩訶不思議な内容で。

ニュースやワイドショーでも話題に挙げられていることではありますが、

持ち帰りと外食とのちがいとか。

みりんや料理酒は10%だけど、ノンアルコールビールは8%とか。

医薬品は10%だけど、健康食品は8%とか。

定期購読の新聞は8%だけど、店で買う新聞とか書籍は10%だとか。

軽減税率は何のために行われて、誰を助けたいのかという基本的なところはどこへ行ったんだろうという内容。

 

次に、プレミアム商品券。

収入が少ない人に2万円で25千円の商品券を売るということらしい。

本当に困った人がその場の2万円で他の何かを買わずに商品券を買うのかということ。

 

そして、キャッシュレス決済のポイント還元。

悠々自適にキャッシュレス使える人にだけ、その還元がなされることになるということ。

 

一番困っている人が受け取りやすい方法はないのだろうか?

一般の人がわかりやすい方法はないのだろうか?

 

法律も政治も税務も年金も、なんでもかんでも難しくてややこしい。

誰かが思い切って単純化したら、世の中もっと生きやすくなるような気もする。

抜け穴とか考える暇がないくらい、簡単で美しい制度、誰か考えてはくれないものだろうか。

 

と、最近、つらつら考えてしまうのです。

こういうの、AⅠが得意そう、とか。

知らないことの責任 (R1.6.24)

例えば還付金。

手続きをしないと返ってこないお金があります。

例えば補助金

手続きをしないともらえないお金があります。

そんな手続きを知らずに何も手続きしないまま、しばらく時間が過ぎ去ります。

すると、時効を迎え、もう何をしてももらえないお金になってしまいます。

その後で、怒ります。

そんな手続き知らなかった! 何で教えてくれなかったんだ!

どこどこの書面のこの片隅に小さく書いてありましたよと言われます。

そんなのわかるか! その都度、はっきりと教えてくれないとわかるわけがない!

と、さらに怒ります。

けれど、もうどうしようもありません。

知らないことの責任はその人が負うしかないのです。

(ごくたまーに、世論が巻き起こったときにどうにかできることがありますが)

 

仕事をしている上で、自分が何かをしなかったこと、間違ったことをしてしまったことに対してよく出会う言い訳は次のようなものです。

「私は素人だから」

「法律なんて勉強したことないし」

「難しくてわからない」

 

もちろん、気持ちはわかります。

ものすごくわかります。

でも、法治国家って非情なもので。

知らないこと、わからないことの責任は全部負うことになってしいます。

そして相談に来られたとき。

これ、もっと早く相談に来てくれていたらよかったんですけどね。と、弁護士がお答えすることがままあります。

それに対してよく言われるのが、

「そんなの、わからなかったから」

「どこに相談したら良いかわからないから」

「こんなことで相談したらいけないと思って」

 

わかります。でも、知らない責任はやっぱり自分に返ってきてしまうんです。